僕がこの夏体験した一番怖かった話をお話ししたいと思います。
僕は、両親そしておばあちゃんと一緒に住んでいました。
おばあちゃんはもともとはとても気だてのよい人だったんですが、
数年前から寝たきりになるとだんだん偏屈になってしまい、介護をする母親に向かってねちねちと
愚痴や嫌味をいうばかりでなく
「あんたたちは私が早く死ねばいいと思っているんだろう」などと
繰り返すようになったため、愛想がつかされて本当にそう思われるようになりました。
すると介護は雑になり、運動も満足にさせて貰えず、食事の質も落ちたために、加速度的に身体が弱っていきました。
最後には布団から起き出すどころか、身体も動かせず口すらもきけず、ただ布団の中で息をしているだけというような状態になりました。
はたから見ていても命が長くないだろうことは明らかでした。
ところで僕のうちは普通の一戸建てで僕の部屋は通りに面した2階にありました。
ある晩、一人きりで雄飛クンの誕生日を祝っていた僕はほろ酔い状態で寝ていました。
すると不意に外でクラクションの音が響き目を覚ましました。
一度は目を覚ましたのですが、とても眠かったのでそのまま気にせず寝ていたのですが、しばらくするとまたクラクションが鳴り響きました。
その後も何回も何回も鳴るので、時間が時間ですし、僕は注意してやろうとカーテンをめくって外を見ました。
僕はぞっとしました。
家の前に止まっていたのは大きな一台の霊きゅう車だったのです!
はたして人が乗っているのかいないのか、エンジンをかけている様子もなく、ひっそりとしています。
なんだか怖くなった僕は布団を頭から被りガタガタと震えていましたが、その後は何の音もすることなく、実に静かなものでした。
朝になって僕は、両親に昨日の夜クラクションの音を聞かなかったかどうか尋ねました。
二人は知らないといいます。あれだけの音を出していて気づかないわけはありませんが、両親が嘘をついているようにも見えないし、
そんな必要も全くないので、僕は夢であったと一方的に決めつけることにしました。
でも頭のどこかで思い当たる節が一つだけありました。
それはおばあちゃんです。
「もしかしたら天国からおばあちゃんを迎えにきたのではないか?」
なんていうロマンティックの想像もしてみたのですが、不謹慎に思えたので止めました。
事実、おばあちゃんはその日も元気に寝たきりでした。
しかし、僕のその想像も単なる夢物語で済ますことができませんでした。
なぜなら翌日の夜にも霊きゅう車はやって来ました。その次の夜もです。
僕はもう無視しようと思っていたのですが、不思議なことに僕が2階から車を見下ろさない限り、クラクションの音は絶対に鳴りやまないのでした。
再び嫌な予感が頭をよぎります。
「まさか、俺か??」
事情があって僕は警察に頼ることができません。
さらに僕たちにとってこの時期は靖国参拝を控えたとてもデリケートな時期です。
僕は恐怖でまんじりともしない夜が続いたため、次第にノイローゼ気味になっていきました。
そうした夜が続いた7日目のことです。
両親がある用事で親戚の家に出かけなくてはならなくなりました。
僕も一緒に行きたかったのですが、おばあちゃんを一人にする訳にもいかず、ノイローゼ状態の僕を親戚に会わせたくなかったのか、両親は夕方には戻ると言って二人で出て行きました。
そのときの僕は口を開けば『レイキュウシャ! レイキュウシャ!』という状態でしたから。。。
そうして僕はこの広い家に一人になりました。いや、おばあちゃんと二人になりました。
僕は恐怖を紛らわそうとして、『こむぞう』を第一回から聞き直したり、何かと理由をつけて雄飛クンとウムに五分置きに交互に電話をかけたりしました。
よくないこととはわかっていたのですが、なぜか怖かったのでおばあちゃんには近寄りもせず、食べさせなくてはいけない昼食もそのままにして放っておきました。
そうして時間をつぶして、両親が帰ってくるはずの夕方になったのですが、帰って来る気配がまったくありませんでした。
時刻は夜9時を回り、やがて12時が過ぎ、いつも霊きゅう車がやって来る時間が刻一刻と迫ってきても、連絡の電話一本すらないありさまなのでした。こちらから携帯を鳴らしても、呼び出しはなるのですが一向に両親の声を聞くことはできませんでした。
そうして一階の居間でテレビを見ながらウトウトしていると、例の音が聞こえてきました。
「ぷ〜! ぷ〜!」
いつもより音は大きくかつハッキリと聞こえました。
玄関のすぐ奥で音は鳴っています。そのドアを開ければ全ての謎は解明できます。
しかし僕にそんな勇気はなく、いつもの通りに2階の窓から外を見下ろしました。
ところがどうでしょう。
いつもはひっそりとしていた車から、何人もの黒い服を着た人達が下りてきて、
門を開けて入ってくるではありませんか。僕はすっかり恐ろしくなってしまいました。
僕は自らこのことも強制的に夢にしてしまおうと、枕元のジャックダニエルのボトルに手を伸ばし一気に流し込もうとすると、
階下でインターホンの鳴る音が聞こえました。
そのインターホンは機械的に定期的に淡々と鳴り続けています。
僕はどうすることもできずにいると、インターホンは軽いノックの音になり、しまいにはもの凄い勢いでドアが「ドンドンドンドンドンドン!」と叩かれ始めました。
僕はもう生きた心地もしませんでした。
友達に頼ろうにも、昼間に電話をし過ぎたために、全ての友人から着信拒否されていました。
そんな状態の僕に追い討ちをかける新たな不安が浮かんできたのです。
「 もしかして玄関のドアを閉め忘れてはいないか」
考えれば考えるほど閉め忘れたような気がします。
僕は跳び上がり、ものすごい勢いで階段をかけ下りると玄関に向かいました。
ところがドアに到達するその瞬間、玄関脇の電話機がけたたましく鳴り始めたのです。
激しくドアを叩く音は続いています。Kさんの足はピタリととまり動けなくなり、
両耳をおさえて叫び出したくなる衝動を我慢しながら、勢いよく
受話器を取りました。「もしもし!もしもし!もしもし!」
741 名前: 怖かったので転載 投稿日: 2001/01/15(月) 16:02
「○○さんのお宅ですか」
その電話の主は意外なことに、やわらかい男の人の声でした。
「こちら警察です。実は落ち着いて聞いていただきたいんですが、
先ほどご両親が交通事故で亡くなられたんです。あのう、娘さんですよね?
もしもし、もしもし・・・」
Kさんは呆然と立ちすくみました。不思議なことにさっきまでやかましく叩かれて
いたドアは、何事もなかったかのようにひっそりと静まり返っていました。
Kさんは考えました。もしかしてあの霊きゅう車は両親を乗せに来た
のでしょうか?おばあちゃんを連れに来たのでなく?
そういえば、おばあちゃんはどうなったのだろう?
その時後ろから肩を叩かれ、Kさんが振り返ると、動けない筈の
おばあちゃんが立っていて、Kさんに向かって笑いながらこう言いました。
「お前も乗るんだよ」
あんまり誰も突っ込まないですけど、
最近のこむぞう、少し長めで好きです。個人的には。
名前: マシャロ | 2007/03/08 19:56:38
>こういう意見を聞けるのは嬉しいですね。
僕たちは、10分くらいがサクサクと聞けていいもんだと思ってたんですが、みなさんの求めるところは違うのですかね??
と、言っても10分くらいで終わる事など難しいのですが。。。
みなさんのご意見募集致します。
今日で義務教育終了~♪
こむぞうと過ごした中学生生活楽しかったなぁ。。。
高校でもよろしくです。
名前: 慶三ファンクラブ会員ナンバー001★しほ | 2007/03/09 23:48:56
>しほさん、卒業おめでとー!
中学時代の多感な時期にこむぞうなんて聞いてたら人格形成上どうかと思いますが、まともな大人になるんだよ! 頼むよ!!
すげームカつくに1票。
動きと、体型と、服装が特に。
後、編集も。
名前: 部屋が散らかりっぱなしの人 | 2007/03/10 19:02:26
>ごめ〜〜〜〜んにょ!
自分でも最近太り続けてる事には気付いてたんだけど、あの絵見て『ヤバい!』と思ったね。
デブってのはさ、鏡見る時は自分の太って見えない角度みたいのをわかってるわけよ。
だから、ああいう風に客観的にふと見えた時に全貌に気付くんだね!
今日からは食後のポテトチップスやめるぞ〜!!
あと、服装に関してはホッとけ!
真面目な意見
イタコンは好きなコーナーで毎回楽しみにしています。
毎回面白く聴いてるんですがちょっとひっかかることが・・・。
最近亡くなられた方を題材にするのは止めた方が良いと思います。
他人の自分が聴く分には大変面白く聴けるのですがもし身内の方が聴いた時にどう思うか・・・。
やっぱ良い気分ではないと思います。
色々意見もあるかと思うけどちょっちちょっち考えて頂ければ・・・。
同じ三十代の人間としていかがなもんかなと思ったので。
名前: 秀虎 | 2007/03/11 16:27:20
>これもナイスな意見ですね。
確かに思う所があります。
意図を伴わないところで相手を不快にさせるのは、無意味だし無駄ですもんね。
是非、反映させていきたいと考えております。
繊細に言葉を選んで文章を紡いでいる感が伝わる暖かいご指摘、ありがとうございました!
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という風に、まだまだ成長途中の『こむぞう』ですが、みなさん可愛がって下さいねー!
笑えたり役立ったり腹立ったり、たくさんのコメント感謝してますー。